【コラム】第45回 住環境の保全と資産価値
小高い丘の南斜面に面した戸建ての住宅街などは「地区計画」が制定され、住宅の資産価値が守られているエリアが存在します。
一戸建ての並ぶ住宅街)
地区計画とは、地区の特性にふさわしい良好な市街地環境の整備・保全を誘導するため、道路・公園の配置や建築物等に関する制限を定める制度です。
用途地域は都市計画区域内で定められていますが、地区計画は都市計画の1つであり、市町村が条例にて決定していきます。用途地域以外になぜ地区計画があるのかというと、例えば低層住宅地域内に高い建物ができたり、あるいは、比較的大きな敷地が細分化され、建物が密集し、日当たりが悪くなったりすりことをあらかじめ防ぐために制定されます。
□地区計画が定められているまちの場合
・低層住宅地が密集している地域は、良好な住環境を維持するために高い建物を規制したりすることができます。
・敷地が細分化されることなく良好な住宅が保持・開発されます。
持ち家比率の高い東京都多摩市の住宅街では、この地区計画が定められています。付近は一戸建てが並び、ファミリー層が多く、推計所得も東京都平均より高めです。
東京都多摩市の住宅エリアの地区計画を抜粋します。
「建築物等の高さの最高限度 ― 建築物の高さは、地盤面から10m以下とし、かつ、軒の高さは、地盤面から7m以下とする。ただし、建築物の高さ及び軒の高さは、盛土をする場合においては、現在の地盤面からの高さとする。
建築物の敷地面積の最低限度 ― 165平方メートル」
□土地の取引価格はどうなっているか?
国土交通省の土地総合情報システムのサイトにて不動産取引価格が公開されています。
東京都多摩市の住宅エリアでは、建築されたのが平成の年代で建築面積1平方メートルあたり20万~30万円、昭和の年代で10万~20万円、建築面積も大き目の物件が多く、取引価格が大きく下落していないことが伺えます。
東京都多摩市の住宅エリアの土地取引価格)
このように各種データや地域統計を見比べてみると背景となる街の状況が見えてきます。皆さんの住まいやその周辺エリア、事業対象エリアの状況をもう一度客観的に把握してみましょう。
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