【記事】第26回 新たなマーケットへの参入時に考慮すべきこと
米国Esriのユーザー会が7/13(月)~7/16(木)にかけて行われました。その中で印象に残ったプレゼンテーションを紹介します。第二弾としまして、新たなマーケットへの参入時に考慮すべきことを3つほどご紹介します。Esri より直接の資料公開はなかったので、ここでは内容を要約して皆様にお届けいたします。
・商圏の類似性
・カニバリゼーション(共食い)
・ハロー効果(halo effect)
□商圏の類似性
新規出店時など、新たなマーケットに参入するときに対象エリアに類似した商圏をもつ店舗に注目します。たとえば、対象のエリアの年代分布はどうなっているのか(若年層、ミドル層、高齢者のうちどの層が多いのか)。あるいは、世帯構成は単身者が多いのか、ファミリー層が多いのか。所得は高めか低めか、昼間人口と夜間人口を比較してどちらが多いのか、などに着目します。また、商圏が類似する店舗に関する売上データなどが存在すれば、それを元に新たに進出するエリアの店舗の売上の予測などがしやすくなるかもしれません。もちろん似たような業態で競合店などが存在すれば、また、売上予測が変わってくる可能性もあります。
例1)渋谷駅周辺の徒歩10分の到達圏の場合
渋谷駅周辺の徒歩10分圏内の統計データを確認すると、圧倒的に昼間人口が多く、都心に人の多く集まるターミナル駅であり、多くの商業施設も存在していることが分かります。また、東京都平均に比べて30代人口が多めです。
例2)あざみ野駅周辺の徒歩10分の到達圏の場合
同じ東急線沿線のあざみ野駅周辺の徒歩10分圏内ですが、こちらは夜間人口が多めで、都心に通勤する会社勤め世帯の住宅街であることがうかがえます。東京都平均に比べて40代人口が多めです。
このように都市型の商圏と住宅地の商圏では、購買傾向も異なる傾向になることが予想されるので、新たなマーケットへの参入時には基本的な商圏調査は実施した方がよいでしょう。
関連活用法:地域のマーケット特性を活かした製品訴求
□カニバリゼーション(共食い)
以前「ドミナント戦略とは?」という記事でも触れましたが、特にチェーン店展開を試みている事業者さまなどは、自社の既存の店舗とのカニバリゼーション(共食い)に注意する必要があります。自店舗を積極的に出店する事業のタイミングなどはもちろん重要ですが、あまりに扱っている商品や業態に対して商圏が近距離になってしまいますと顧客同士を奪い合うカニバリゼーション(共食い)が起きてしまいます。
なるべく商圏自体がかぶらないような出店計画を立てる必要があります。
関連活用法:最適な店舗網の構築 ~デリバリー業を例として~
□ハロー効果(Hello Effect)
ウィキペディアより引用してみます。
「ハロー効果(ハローこうか、英語: halo effect)とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。光背効果、ハローエラーともいう。例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても権威があると感じてしまうことや、外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。ハロー効果は、良い印象から肯定的な方向にも、悪い印象から否定的な方向にも働く」
これを新たなマーケットに参入したシーンに当てはめてみます。新たな営業チャネルを開拓したとしましょう。この場合、既存の営業チャネルを含むすべての営業チャネルに何らかの変化を与えてしまう可能性を理解しましょう。
例えば、マーケットへのてこ入れ対策として、新たな旗艦店をオープンした場合に、旗艦店の売上は好調でも既存の販売チャネルに悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
関連活用法:AI によるハロー予測:小売計画における大きな飛躍
例)ハロー効果(第一印象のよいセールスマンがいい人とは限りません。)
新たなマーケットへ参入する時に考慮すべきことを3つほど紹介しましたがいかがでしたでしょうか?機会があればこれに関しましてはもう少し続きの理論(ハフモデルの概要を簡単に、など)などを紹介していきたいと思います。
関連記事:ドミナント戦略とは?
業態別の様々な商圏
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